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水道だより(第1回)
水道だよりはじめました!
下呂市の水道の現状や課題をより多くの方々に知ってもらうために、水道だよりのホームページ連載をはじめました。
水道だより(全3回)、下水道だより(全3回)の計6回の連載を予定しています。
はじめに
日常生活になくてはならない水道ですが、安心・安全な水を提供するためには、非常に多くの費用がかかっています。
水は川や谷など身近なところにありますが、それらの水は浄水場などの水道施設できれいにしてから、安全な水として皆さんに提供されています。
水道の大切さを知ってもらうためにぜひご一読ください。
今回のテーマは「下呂市の水道の現状」
給水状況
現在、下呂市では旧下呂町の下呂地域(東上田~三原)に給水している上水道事業(※)と、それ以外に給水している23の簡易水道事業等(※)により、ほぼ市内全域に水道水を供給しています。
※上水道事業、簡易水道事業等の違いは、計画給水人口5,000人を境に名前が変わるだけで、どちらも浄水場で水を作り、地中に埋めた水道管を通して水道水を配っていることに変わりはありません。
水道事業は、下呂市の水道利用者の皆さんからいただいた水道料金で運営し、施設や水道管等の維持・管理をしています。
漏水状況
水道管のトラブルは常に全国各地で起きています。
下呂市では大規模なトラブルは起こっていませんが、小規模漏水等は毎月のように発生しています。
漏水の発生件数は令和元年度105件、令和2年度137件、令和3年度128件、令和4年度170件となっています。
一般的に漏水というと、家の中での漏水(給水管)をイメージすると思いますが、道路の下で発生する漏水(本管)もあります。
特に本管での漏水は、年20件ほど発生しており、急な断水や水の濁り等でご迷惑をおかけしています。原因は老朽化によるものがほとんどです。
水道管の状況
水道管の寿命は40年と言われていますが、水道管の老朽化が全国でも今問題になっています。
下呂市内にも40年以上前に埋設された管が多く残り、かなり老朽化が進んでいると思われます。
また、古い管は大きな地震の揺れには耐えられないため、災害等発生時には被害の拡大と長期化が予測されます。
下呂市内には約570kmにおよぶ水道本管が埋設されており、すべてを更新するには莫大な費用と時間がかかります。
水道施設の維持・管理状況
下呂市のような山間地では、地理的条件から数地区規模で水道が整備されました。
そのため統合できる施設はほとんどなく、主要施設は今後もすべて維持する必要があり、施設内の機器、設備の更新も進めなければなりません。
【主要施設と施設内にある機器、設備の一例】
水源(39ケ所):取水ポンプ、送水ポンプ等
浄水場(29ケ所):浄水設備、流入弁、流量計、濁度計、水位計、残塩計、 薬注タンク、薬注ポンプ、テレメータ装置、制御盤、 自家発電装置等
配水池(58ケ所):水位計、流量計、テレメータ装置、緊急遮断弁等
これらの機器、設備はどれが欠けても安心・安全な水の供給に支障をきたします。
老朽化した管路や機器、設備の更新は、すぐに始められるものではなく、一つ一つ問題点を洗い出し、早急に対応すべき箇所から、段階を追って進められます。
下呂市にも予算があり、予算以上のお金を動かすことはできません。このような財政的な問題は急激に進む人口減少により益々大きな問題となり、更新を遅らせる原因にもなっています。
水道の運営状況
まず、結論から申し上げますと「赤字会計」となっています。
赤字の理由は様々ですが、主な理由は機器、設備の維持・更新に対して、水道の収益が追い付いていないからです。
赤字なので、機器、設備の維持・更新は毎年必要最低限になります。しかし、老朽化が進み、直すべきところはたくさんあります。
全部直そうと思うと、予算は数百億円規模になります。しかし、収益は毎年およそ数億円ほどなので追いつきません。
今後、機器、設備の老朽化に加え、人口の減少によりさらに収益は減ると予測されますので、赤字を抜け出すことができない状況となります。
結果として、機器、設備や管路の維持・更新は遅れていき、漏水等の問題が起こる可能性が高くなっていきます。
この状況をなんとか打開することが下呂市の大きな課題となっています。
上述したように、下呂市の水道の現状は、たいへん厳しいものとなっていますが、上下水道部は一丸となってこの大きな課題に取り組んでいきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回のテーマは、「下呂市の水道料金について」です。更新は7月1日を予定しています。
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下呂市上下水道運営委員会←下呂市民の代表者数名と学識経験者を交えた会議が行われています。
下呂市給排水工事指定店名簿←下呂市の水道業者さんの一覧です。家庭内での漏水に困ったときはお問い合わせください。
いま知りたい水道<外部リンク>←厚生労働省の公式ホームページです。水道について非常に分かりやすいパンフレットが掲載されています。
水道だより(第2回目)←テーマは「下呂市の水道料金について」です。