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御嶽山 ~人と山が紡ぐ文化と癒し~

15 陸の豊かさも守ろう
記事ID:0038930 更新日:2026年6月22日更新 印刷ページ表示
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御嶽山全容図
御嶽山国定公園ロゴ

御嶽信仰と歴史

御嶽山は木曽川水系の水源であり、濃尾平野からは北の空に大きく見えることから、古代から「水分神」の山として崇敬されてきました。そのため人が登った記録も古く、飛鳥時代の大宝2年(702)に修験道の創始者・役小角が開山したと伝わっています。

御嶽山は修験者たちから、「王御嶽」「王嶽」と呼ばれ、百日間の厳しい修行に耐えた者だけが登山を許されていました。江戸時代の天明2年(1783)、尾張の修験者・覚明行者は、神官の反対を押し切って、水行だけの簡単な精進で木曽黒沢口から御嶽山に登り、一般の人にも登山が開かれました。次いで、江戸の普寛行者が木曽王滝口から御嶽山に登山道を開きました。

御嶽信仰は御嶽山そのものを崇め、人の死後に魂が御嶽山に還ると説きます。江戸後期には、登山や参拝の案内をする「先達」が全国を回って御嶽信仰を人々に勧め、地域ごとに「講」というグループを組んで、集団登山が一大ブームとなりました。明治5年(1972)に修験道は廃止されて複数の神道教団に再編されますが、鉄道が発達して木曽まで簡単に行けるようになると、御嶽信仰はますますさかんになりました。
御嶽信仰

御嶽山飛騨側の歴史

古くは修験者が長旅を経て、御嶽山を初めて望む場所に「御嶽四門」と呼ばれる遥拝所が設けられ、飛騨と信州の国境にも高山市高根町の長峰峠に菩提門(西門)、下呂市御厩野の拝殿山に修行門(南門)がありました。
里山の上から、奥山にひときわ高くそびえる御嶽山の姿は崇高で、御前山(萩原)、下呂御前山(下呂)など、遥拝所と思われる山名が残り、仏ヶ尾山(萩原)には「御嶽大神、白山大神」と記された石碑があります。
木曽黒沢口から御嶽山を開いた覚明行者は、次いで飛騨小坂口の開山をめざしましたが、山中で亡くなりました。江戸時代には山深い飛騨側の信仰登山は広がりませんでした。

明治18年(1885)小坂町の有志が寄付金を集め、小坂町落合から濁河温泉を経由する飛騨小坂口登山道を開きました。
明治21年(1888)に朝日村の谷口直吉が濁河温泉に「嶽の湯」を開業、翌年に摩利支天山の山頂に神社を建立、のちに五ノ池畔に移転して飛騨頂上とするとともに、五の池小屋の前身となる籠堂を建設しました。
戦後になると、木材運搬の主役であった森林鉄道に代わって山岳道路が建設され、昭和32年(1957)に久々野駅から秋神経由で濁河温泉までの定期バス、昭和34年(1959)に御嶽開発道路(廃道)を経て飛騨小坂駅から濁河温泉までの定期バスが運行しました。
これにより、濁河温泉に旅館が次々に開業し、飛騨側からの登山者が一挙に増えました。

エコツーリズム

自然環境のほか歴史文化等を観光の対象としながら、環境の保全性と持続可能性を考慮する旅行のあり方を「エコツーリズム」と呼びます。
また、その考え方に基づいて行われるツアー、体験プログラムが「エコツアー」です。

◆自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かした観光を推進する。
◆地域資源が損なわれることがないように、適切な管理に基づく保護・保全をはかる。
◆地域資源の保護と観光業と地域振興が結びつくことにより、旅行者への持続可能な地域資源の提供と、地域の暮らしの安定、地域資源が守られていくことにつながる。

NEXT GIFU HERITAGE~岐阜未来遺産~小坂の滝めぐり

御嶽山麓の小坂の滝めぐりでは、中級から上級コースの滝を訪ねるガイドツアーが開催されています。持続可能なサスティナブル・ツーリズムの国際指標を取り入れて、世界の旅行者から選ばれる地域をめざす「NEXT GIFU HERITAGE~岐阜未来遺産~」の第一号に選ばれました。
冬には、神秘的な雪の森に分け入る冬の滝めぐりガイドツアーを実施し、雪山を歩きとおす体力を必要としながら、満足度の高いアクティビティとして人気があります。
エコツアー

飛騨御嶽高原ナショナル高地トレーニングエリア

御嶽山の濁河温泉(標高1,800m)から高山市の日和田高原(標高1,200m)にかけてのエリアは、国のナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設(NTC)に指定されています。
トップレベルの選手から一般の選手まで幅広いアスリートが高地トレーニングによる競技力向上に励んでおり、オリンピックをはじめさまざまな国際大会で成果を生み出しています。
高トレ
御嶽山の気圧が低く、酸素濃度が薄い高地環境でトレーニングすることによって、血液中のヘモグロビン量が増えて酸素運搬能力が向上し、心肺機能が強化されるほか、筋肉をつけ、持久力を高める効果を得られます。
高地トレーニングでは、長期の高地滞在と、中高度または低地でのトレーニングの組み合わせが理想的ですが、御嶽山は標高1,800m~1,200mの広大なエリアにさまざまな宿泊・トレーニング施設が配置され、効果的な競技力向上に励むことができます。

一般の方でも、高地に滞在して、医・科学的にリスク管理された運動と食事を行うことにより、さまざまな健康増進効果が期待できます。御嶽山には温泉浴・森林浴などの素晴らしい健康環境が揃っており、県民市民の健康づくりへの活用に向けて研究が進められています。

御嶽山国定公園指定記念誌

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