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臨床検査科

記事ID:0002566 更新日:2021年10月7日更新 印刷ページ表示
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臨床検査科

概要

 臨床検査科には、患者さんの血液、尿、便、体液などの検査(検体検査)を扱う検体検査室、細菌の検査を行なう細菌検査室と、患者さん自身の検査(生理検査)を扱う生理検査室(第1・第2)があり、5名の臨床検査技師が担当しています。これらの検査は、病気の診断・病気の程度・治療の経過を判断する為に行なわれ、病気の早期発見や予防の為にも必要な手段です。

 検査業務は電子化されており、医師が診察時にパソコンに入力した検査依頼が検査室に届き、さらに分析装置等に指示が届くようになっています。検査結果は、臨床検査技師がデータを確認した後、直ちに診察室のパソコンで見ることができ、正確・迅速な結果報告をしています。すぐに治療が必要な結果の場合は、主治医に直接電話連絡しています。検査をきちんとするために、分析装置の点検整備を行い、正確・精密に測定できているかチェックする精度管理を毎日行なっています。

検体検査

 患者さんから採取した、血液、尿、便、体液などを検査します。採取した血液や尿などをそのまま測定したり、遠心分離機にかけて赤血球や白血球、細胞などの有形成分と液体成分に分離し、上澄みの液体成分を測定に用いたり、下に沈んだ部分を調べたりしています。

一般検査

【尿検査】
尿を浸した試験紙を尿定性分析装置にかけて尿の成分を調べ、蛋白や糖などが出ていないか、出血がないかなどを確認します。さらに、顕微鏡で詳しく見て、赤血球や白血球の数を調べ、細菌や悪性細胞などの有無を確認しています。
外来トイレの奥に尿コップを置く場所があるので、尿コップはそこへ置いてください。

尿検査装置
尿検査装置

【便検査】
消化管出血の有無を調べる便潜血検査や、寄生虫卵の有無などを調べる検査です。便潜血検査の便を採取する場合は、数ヵ所から取ってください。

生化学検査装置

 生化学分析装置を使って、血液や尿などに含まれている化学物質がどれ位あるか検査し、肝機能、腎機能、糖、脂質などについて調べます。血液は、採血した後、10分~20分かけて凝固させ、遠心分離機にかけて赤血球や白血球、血小板などの有形成分と液体成分(血清)に分離し、上澄みの液体成分(血清)を測定に用います。

生化学検査装置
生化学検査装置

免疫検査

 主に血液を凝固させた後の上澄みの液体成分(血清)を用いて、免疫学分析装置で感染症、腫瘍マーカーなどの検査をします。

免疫学装置
免疫学装置

血液検査

【血液一般】
血液を用いて、血液学分析装置で赤血球、白血球、血小板などの数や白血球の種類を分類して調べます。また、血液を板ガラスに薄く塗り、細胞が見やすいように染色して顕微鏡で観察し、白血球の種類を分類したり、赤血球、白血球、血小板の形の変化や異常細胞の有無を調べたりします。

血液学検査装置
血液学検査装置

【凝固検査】
血液の固まる時間などを調べる検査です。血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)の予防や、治療のためや、出血性疾患(凝固障害)を調べるために行なわれます。

輸血検査

 輸血が安全に行われるように、血液型検査、不規則性抗体検査、交差適合試験を実施しています。

細菌検査

 細菌は非常に小さな生物で、顕微鏡でやっと見られる大きさです。私たちのまわりにはいろいろな種類の細菌が存在していますが、その中には病気を引き起こすものもあります。細菌検査室では、患者さんから出された喀痰や尿などの物から、顕微鏡で調べたり、培養して菌を発育させて調べることにより、どのような細菌に感染し、どのような薬が効くのか検査しています。
細菌を発育させるため、結果を出すまでに通常3~4日かかります。発育が遅い菌などの場合はさらに日数がかかります。また発育してきた菌によっては、どのような薬が効くのか調べる検査(薬剤感受性検査)を実施し、後日その検査料金が請求されますがご理解下さい。薬が効かない菌を調べる事は、院内感染防止対策に役立っています。

病理検査

【病理組織検査】
体の一部を取って、顕微鏡で観察する検査ですが、当院ではこの検査は、外部に委託しています。【細胞診】体の一部から微量の細胞を採取して顕微鏡で観察する検査です。喀痰、尿、体液などに含まれる細胞から、がん細胞を見つけ出します。また、乳腺や甲状腺のしこり部分に針を刺して細胞を採取し、がん細胞を調べます。 無数の細胞の中から数個のがん細胞を見つけ出すのは、専門の訓練を受けた細胞検査士が担当しています。

生理検査

 生理検査は、いろいろな機器を用いて患者さん自身を調べる検査です。痛みはありませんが、患者さんに頑張っていただかなければならない検査もありますので、御協力をお願いします。

心電図(標準12誘導心電図)

 10個の電極を体につけて、心臓が動く時に発生する微弱な電気変化を記録したものです。不整脈(脈が速いか、遅いか、乱れがあるか)、心臓の肥大・拡張、心筋障害(心筋梗塞や狭心症)などがわかります。上半身の服を脱ぎ、足首を出して、リラックスした状態で検査します。痛みはありません。検査中に動いたり、力を入れたりするとうまく記録できません。検査は3~5分程度で終わります。

負荷心電図(マスター2階段運動負荷試験)

 階段を登り降りして、脈拍が上昇した時の心電図の変化を見る検査です。安静時ではみられない、運動によって引き起こされる異常を見つけることが出来ます。階段の昇り降りの運動時間は3分間ですが、1分30秒や4分30秒の場合もあります。年齢、性別、体重によって階段の昇り降りの速さが決まります。検査時間は、15~20分程度です。 

ホルター心電図

 胸に電極を貼り、小型の測定器を身に付けて、日常生活の心電図を24時間連続で記録する検査です。動悸や胸痛、胸の圧迫感、失神などがあった時などの心電図の変化をとらえ、その症状の原因が心臓にあるかどうかを調べるのに役立ちます。また、不整脈の種類や頻度、薬の効果判定などの目的でも検査します。測定器の取り付け・説明などで10分程かかります。お風呂やシャワーなどは利用できませんが、普段と同じ生活ができます。測定器を取り付けた翌日も、同じ時刻に取り外しのため来院していただきます。

血圧脈波検査

 両腕、両足首の血圧を測定し、脈波、心電図、心音を同時に測定することによって、血管の硬さや血液の流れやすさを調べます。動脈硬化を総合評価し、動脈の硬化・狭窄・閉塞を推測する検査です。検査時間は、10分程度です。

肺機能検査

 息を大きく吸ったり吐いたりすることや、1秒間にどれだけ早く息を吐けるかなどにより、肺の大きさや、肺のやわらかさなどを調べます。これにより、肺機能障害の種類や程度がわかります。また、全身麻酔で手術される患者さんでは、術中の呼吸管理を安全に行うために術前検査として行なっています。この検査は、鼻をつまんだ状態で口にマウスピースをくわえ、口だけで呼吸し、技師の掛け声に合わせて息をゆっくり大きく吸ったり吐いたり、一気に吐き出したりしますので、患者さんの努力によって検査結果が大きく変わります。私たち技師の掛け声に合わせて、正確な検査が出来るように頑張りましょう。検査時間は10~15分ほどかかります。

眼底検査

 瞳の奥をのぞくことで、皮膚を切ることなく血管の小さな変化を見ることが出来る唯一の検査で、眼の病気だけでなく、全身のさまざまな病気について多くの情報を得ることができ、糖尿病の合併症、高血圧症、動脈硬化症などの発見、病状把握に役立ちます。眼底カメラをとおして眼をのぞきこみ、撮影します。検査時間は2~3分ほどかかります。

聴力検査

 音の伝わり方には2つあって、1つは、音が耳から入って鼓膜や耳小骨に伝わり、最後に内耳に伝わります(気導聴力)。もうひとつは、頭蓋骨の振動が直接内耳に伝わります(骨導聴力)。聴力検査は、外部の音を遮断した部屋で、レシーバーから聞こえないほどの音を出し、少しずつ音を大きくしていって、初めて聞こえたときの聴力を測定し、難聴の種類や程度をしらべます。結果のばらつきが大きい場合は、検査時間が長くなることがありますが、患者さんのご協力が必要ですのでよろしくお願いします。

睡眠時無呼吸症候群・終夜睡眠ポリグラフィ検査

 当院では睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行っています。
 自宅にて就寝前に検査機器を装着することにより、その重症度を評価することができます。
 
 睡眠時無呼吸症候群とは・・・
 睡眠中に無呼吸や低呼吸状態が断続的に繰り返される病気です。この病気にかかっている人は日本の人口の約2~4%で、およそ300万人いると推 定されています。この病気は、夜間の不眠や、日中の傾眠を引き起こすだけでなく、高血圧や脳血管疾患などの様々な合併症を引き起こすことされ、交通事故発生率にいたっては睡眠がとれている人の約7倍とされています。
 

腓腹神経伝導検査

 腓腹神経とは足にある神経の1つで、この神経に微量の電気刺激を与え、この電気が伝わる❝速度❞と❝大きさ❞(振幅)を測定することで神経障害の有無や程度を評価する検査です。この検査によって、糖尿病の三大合併症の一つである糖尿病性末梢神経障害を早期に発見することができます。検査時間は10~15分程度です。