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令和8年9月1日から9月30日まで実施いたしました「下呂市議会議員政治倫理条例(案)に対する意見募集(パブリックコメント)」につきましては、貴重なご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
お寄せいただいたご意見と、それに対する議会の考え方を取りまとめましたので公表いたします。
| No. | お寄せいただいたご意見 | ご意見に対する議会の考え方 |
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| 1 | 日本人として、当たり前の行動倫理であるのに、改めて条例を設置しなければならないのは、残念だと感じます。倫理的な問題も大事ですが、議員の職務の明確化も併せて行って欲しいです。 |
議員の職務や役割は、令和3年に制定した「下呂市議会基本条例」において明確に規定しています。同条例第2条で「市の意思決定」「執行機関の監視・評価」「政策立案・提言」という議会の役割を定め、第4条では議員の活動原則と特定の地域や個人・団体にとらわれず、市民全体の福祉向上を目指すことや、市政課題の把握・資質向上のための不断の研さん、積極的な政策提言に努めることなどを明記しています。 今後とも同条例に規定された職務と役割を誠実に果たすとともに、高い倫理意識をもって議会活動に取り組んでいきます。 |
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下呂市では令和元年度、市営観光施設「下呂温泉合掌村」の事業会計において、会計担当者による通帳の改ざん・架空業者への振込等の不正行為により、最終的に約2億6千万円余りの使途不明金が発生する事件がありました。市議会は「下呂温泉合掌村使途不明金調査特別委員会」を設置して原因究明と再発防止提言を行いましたが、当時の指摘は、決裁規程の遵守や随意契約の適正化など、いずれも「担当者・組織が規則を守ること」に依存した対策にとどまっています。この事件が示した本質的な教訓は、規則の有無そのものより、規則を運用する「人」に依存した監視体制には限界があるという点だと考えます。 本条例案も、政治倫理基準の遵守(第5条)や審査会の運営(第9条〜第13条)など、多くの条文が議員本人の自覚や議長・審査会委員の判断に依存する構造となっており、同様の限界を抱えていると感じます。 以上を踏まえ、規則を「増やす」ことよりも、特定の個人の善意や誠実さに依存しない、構造的な透明性の確保を主眼として、以下の意見を提出します。 1.市民代表による常時参加の仕組みの導入 本条例案の審査会(第9条)は、議長が選任する議員と、議長が委嘱する有識者によって構成されており、委員の人選権が議会側に集中しています。 また審査請求(第8条)の発動要件も、市民は50人以上の連署、議員は2人以上の連署と、著しく非対称です。 これらは、「疑惑が生じてから」動く事後的な制度にとどまっています。選挙人名簿から無作為抽出(くじ引き)した市民代表を、一定人数、一定期間、議会・審査会に常時参加させる。市民代表の人数(総数)は公表するが、個々の委嘱対象者の氏名は非公開とする(裁判員制度の選任手続の秘匿と同様の考え方)。市民代表が「職務への取組みに疑義がある」と継続的に認めた議員について、一定数の指摘が累積した場合に、審査会への諮問を可能とする規定を設ける。議員が市民代表の身元を特定しようとする行為を、政治倫理基準(第5条)の禁止事項として明記する。
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1.市民代表による常時参加の仕組みの導入について (1)審査会の構成について 本条例案では、審査会の委員(6人以内)について、議員だけでなく、「社会的信望があり地方行政に関し識見の高い市民」を半数程度委嘱することとしており、第三者としての客観的で公平な視点が反映される仕組みとしています。特に専門的な知識が必要な場合には、弁護士等の外部専門家に出席してもらい意見を聴く規定も設けています。
(2)審査請求要件について 市民審査請求要件(選挙権を持つ方50人以上の連署)は、地方自治法に基づく事務監査請求における署名数(有権者の50分の1以上)と他自治体の事例を参考に、高すぎず低すぎない一定のハードルとして設定したもので、安易な請求を防ぎ慎重な手続きを確保しながらも、市民の皆さまの権利をしっかり保障するものです。一方、議員(2人以上)による請求は、外部からの指摘を待つだけでなく、議会内部から自発的に問題提起を行い、互いに厳しく倫理を守らせるための自浄ルールとして設けているものです。
(3)市民代表の常時参加等について くじ等で選んだ市民代表が常時参加する仕組みや、身元を伏せた形での諮問ルールにつきましては、市民の直接選挙で選ばれた議員で構成される議会や審査会が本来果たすべき責任・役割との兼ね合いや、公正な審査手続き、関係者のプライバシー保護といった観点から、慎重な検討が必要となります。直ちに本条例案へ組み込むことは難しいと考えますが、他自治体の先進的な取り組みや市民参加のあり方について、今後の調査研究の参考とさせていただきます。 |
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2.利益相反の開示範囲の拡大
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2.利益相反の開示範囲の拡大について
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3.公務用通信機器の分離と、通信履歴(メタデータ)の記録・保存 公務の場での私用携帯電話の使用や、議員個人の裁量によるファクシミリ送受信は、正規の決裁・監査プロセスの外側で物事が進む余地を生みます。合掌村事件も、正規の帳票の外側で不正が進行した点が根本原因の一つでした。特にファクシミリについては、機種によって送受信履歴の保存有無・保存期間が統一されておらず、記録管理が徹底できないこと、また誤送信時には紙媒体で出力され回収・取消しができず情報漏洩に直結することから、個人情報を取り扱う民間事業者では使用を制限することが一般的です。住民の個人情報保護以上に高い規律が求められるはずの議員の職務が、民間の基準に満たない状態にあるとすれば、それ自体が正されるべき点だと考えます。公式な議事の場では、私用携帯電話の持ち込みを制限し、公務用端末の使用を基本とする。公務用通信機器について、通話・通信の「内容」ではなく、日時・相手方といった外形的な記録(メタデータ)のみを一定期間(例:審査請求の時効に合わせて1年間)保存する。議員個人の裁量によるファクシミリの送受信は禁止し、必要な送受信は議会事務局を経由し、発送記録として一元的に残す。 公務用スマートフォン・パソコン等のOS及びアプリケーションについて、最新の状態が保たれているかを定期的に確認する運用を義務付ける。古いバージョンのまま放置された端末は既知の脆弱性を突いた不正アクセスや情報漏洩の原因となりやすく、個人情報を取り扱う民間事業者では更新プログラムの適用状況の定期確認が基本的な安全管理措置とされている。保存した記録は、通常時は非公開とし、審査会が審査の際に限り確認できるものとする。非公開とされた審査会の会議場には、録音・撮影機能を有する機器の持ち込みを禁止する旨を掲示等により明示的に告知する。個人情報を取り扱う民間事業者では、こうした告知と持ち込み禁止の明文化が基本的な運用となっており、同様の水準を導入する。違反が判明した場合は、政治倫理基準(第5条)違反として審査の対象とする。なお、信書(郵便物等)の中身を事前に確認・開封することは、通信の秘密(憲法第21条第2項)に抵触するおそれが強く、対象としません。議会事務局を通じて発送する公務関連の郵便物についても、内容には一切踏み込まず、発送日・宛先(法人・団体名)・担当議員名といった外形的な発送記録の保存にとどめることを前提とします。 |
3.公務用通信機器の分離と、通信履歴の記録・保存等について (1)通信機器・通信履歴の管理について 私用携帯電話の持ち込み制限や、通信履歴(連絡した日時や相手方などの記録)の保存、ファクシミリの取り扱いルールなどにつきましては、議員の日常的な調査研究だけでなく、市民の皆さまからのご相談への対応などと深く関わる問題です。 仮に通信履歴などの記録・保存を義務付けた場合、「誰がいつ議員に相談したか」という情報が残ることになり、ご相談いただいた市民の皆さまのプライバシーや通信の秘密を侵害したり、安心して相談できる環境を損なったりするおそれがあります。そのため、条例によって一律に端末の利用を制限したり、通信履歴の記録を義務付けたりすることにつきましては、慎重な判断が必要と考えます。 (2)情報セキュリティと会議運営について 公務用端末(各議員にモバイル端末を貸与)のセキュリティ対策や個人情報の漏洩防止、会議場での規律維持や郵便物の適切な管理につきましては、市民の皆さまからの信頼を確保するうえで極めて重要な事項であると認識しています。 公用モバイル端末の運用につきましては、議会も適用対象に含まれる「下呂市情報セキュリティ基本方針」に基づき、導入当初よりモバイル端末管理システムによる一括管理を行っています。これにより、OSの常時最新化をはじめ、許可されたアプリ以外の導入制限、紛失・盗難時の遠隔データ消去、再設定時の第三者による不正利用を防ぐアクティベーションロックなど、必要な安全管理措置を講じており、今後もこの管理体制を徹底していきます。 なお、審査会等における録音・撮影機器の持ち込み制限やその告知、政治倫理基準との整理、また通信の秘密に配慮した郵便物の発送記録管理といったご意見につきましては、今後の議会運営やルール見直しにおける貴重なご着眼として、参考にさせていただきます。 |
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| 以上の意見に共通する考え方は、次の一点に集約されます。「規則を守るかどうかを本人の自覚だけに委ねず、特定の個人に依存しない形で、常に第三者の目が届く仕組みを、内容には踏み込まない外形的な記録という形で組み込むこと。」 どれほど詳細で厳格な規則を定めても、その運用を最終的に「人」に委ねる限り、うっかりした見落としや判断の甘さといったいわゆるヒューマンエラーは避けられません。これは個人の資質の問題ではなく、人間である以上ある程度避けられない性質だと考えます。だからこそ、規則の中身を精緻にすることよりも、記録・確認の仕組み自体を人の判断に依存しない形にしておくことが、最も確実で、かつ簡明な対策になると考えます。本条例案は、政治倫理基準や審査会制度など、骨格としては妥当な内容を備えていますが、平時からの透明性を担保する仕組みが弱いと感じます。上記の意見が、より実効性のある条例とするための検討の一助となれば幸いです。 |
過去の出来事を教訓に、「個人の自覚や注意だけに頼るのではなく、仕組みとして客観的なチェックを効かせるべき」という大変本質的なご提言をいただきました。 今回の条例案は、議員が守るべきルールを明確にすることに加え、第三者である市民を半数とする審査会や、審査結果の公表制度などを設けることで、公正で透明な議会運営の土台を作るものです。 ご指摘いただいた「特定の個人に依存しない仕組みづくり」や「普段からの透明性の確保」という視点は、不正やミスを防ぎ、市民の皆さまからの信頼を高めていく上で大変重みのあるご意見です。 条例を制定して終わりにすることなく、実際の運用や定期的な点検・見直しの中でご提言の趣旨をしっかり活かし、実効性のある透明な議会運営に努めていきます。 |
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責務や遵守事項が列記されていますが、審査対象の範囲や基準が曖昧であり不明確であり、議員同士(会派同士)の審査が泥仕合的になりやすい構造にあることなど感じました。以下に個別列記いたします。 1.審査対象となる違反行為の範囲や政治倫理基準の定義が不明確であり、具体的な運用や判断が難しいと思われます。 |
1.審査対象となる違反行為や基準の明確化について 本条例案では、抽象的な規定にとどまらず、禁止される具体的な不当行為として、(1)職務に関する不正な疑惑を生じさせる行為の禁止、(2)地位を利用した金品授受の禁止、(3)請負契約や指定管理者指定での便宜供与の禁止、(4)許認可や行政指導等での便宜供与の禁止、(5)市職員等への不当な働きかけや職務妨害の禁止、(6)市職員等の人事への不当関与の禁止、(7)批判を受けるおそれがある政治寄附の受領禁止、(8)ハラスメントや人権侵害行為の禁止の8つの基準を定めています。併せて、請負契約や指定管理者指定に関する遵守事項も定めており、実際の運用では審査会がこれらの基準に基づき事実関係を客観的に確認・判断します。解釈や運用で迷いが生じないよう、公平・厳正な審査に努めていきます。 |
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2.政治倫理審査会の構成員が議員中心であり、議員同士(会派同士)の対立や泥仕合、あるいは身内に甘い判断に利用される懸念があると感じます。公正な運用を確保するためには外部有識者による第三者審査を取り入れることが必要と思います。 昨今の他の自治体で起きておる事案を鑑み専門家からも指摘されている第三者機関(住民や学識経験者といった外部の第三者が審査に関与する仕組み)をとりいれることで、「住民不在」や「身内びいき」の懸念払しょくを図るべきと思います。 |
2.政治倫理審査会の構成と第三者の参画について 議員同士のなれ合いや政治的な対立への利用を防ぎ、公平で客観的な審査を行うことは、本条例の信頼性を左右する極めて重要な要素です。そのため本条例案では、審査会の委員(6人以内)について、議員だけでなく「社会的信望があり地方行政に関し識見の高い市民」を半数程度委嘱することを明確に定めています。 また、法律や行政等の専門的な判断が必要な場合には、弁護士等の外部専門家に会議への出席を求め、意見や助言を聴く規定も設けています。 なお、本市議会では現在、会派制をとっていませんが、仮に将来会派が結成された場合においても、特定の会派に偏ることのないようバランスに配慮した選任に努めていきます。 このように、市民や専門家という外部の目を入れるとともに、偏りのない委員構成を徹底し、身内への甘い判断や不当な対立を防ぎ、中立で厳正な審査体制をしっかり確保していきます。 |
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3.違反が認定された場合の措置(議員辞職勧告など)に法的な強制力がなく、議員が居座り続けた場合の実効的な歯止めが制度上弱く、実効性の限界が見えます。 |
3.違反認定時の措置の実効性と法的限界について 選挙で選ばれた議員の身分を直接奪うような処分は、地方自治法に厳格な定めがあるため、市の条例だけで失職などの法的強制力を設けることには制度上の限界があります。しかし、本条例案では、違反が認められた議員に対して、議長が「出席自粛」や「議員辞職」を勧告するとともに、その内容を市民の皆さまへ公表する規定を設けています。 議会としての意思を公式に示すとともに、公表を通じて市民の皆さまの厳しいチェックを受けることは、対象議員に対して極めて強い政治的・道義的な圧力となり、十分な実効性を持つ手立てになると考えています。 |
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4.審査対象となった議員の防御の機会や手続き、権利の説明不足がありそうです。 |
4.審査対象議員の弁明の機会について 一方的な主張だけで審査が進められ、対象議員が不適切な扱いを受けることがないよう、自らの言い分や事実関係をしっかりと説明・反論できる機会を保障することは極めて重要です。 そのため本条例案では、審査会において対象議員に「弁明の機会」を与えることを義務付けています。対象議員は、審査会で直接自らの意見を述べたり、事実を説明するための資料を提出したりすることができます。このように、一方的な判断を避け、当事者の言い分も対等に聴いた上で審査を行う手続きを定めています。 |
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5.第8条について、「…これを証する資料を添えて…」とありますが、違反の疑いを証明するに足りる事実を証する書類や資料の添付に関する具体例として、新聞やニュースの報道記事、公的文書、契約書の写し、写真や録音データなど、事例を挙げるなど、付記にて補足するとよいと思います。 また、「…議員にあっては2人以上の者の連署をもって…」とありますが、特定の政党や会派による多数派工作を防ぐために、「2会派以上の所属議員による連署」というような条件の付加が必要かもしれないです。 これまで報道により市内で発生している様々な事件や不祥事に関して心を痛めています。今般全国の他の自治体では、政治倫理に関する話題にも事欠きません。市としては「対岸の火事」とするのではなく、「他山の石」とすべく、折角のこの条例制定の機会に転ばぬ先の杖として、事案発生時のプロセスで余計な不信感を助長することのないよう行政におけるリスクマネジメントの一環として、上記内容の反映に向けた真剣な検討を期待したいものです。 |
5.審査請求時の「証する資料」の具体例と連署要件について (1)添付資料の具体例について 審査請求の手続きにおいて、市民の皆さまが戸惑うことなくスムーズに書類を準備できるよう具体例を示すことは、大変重要であると考えます。条例本文は制度の骨格を示すため簡潔な表記となっていますが、ご提案いただきました新聞・ニュースの報道記事、公的文書、契約書の写し、写真や録音データ等につきましては、実際の請求手続きで活用できる代表的な資料例と考えられます。 市民の皆さまにとって分かりやすい手続きとなるよう、本条例の施行規則に基づき作成する申請要領・案内において、こうした具体的な提出資料の例を明記する方向で検討いたします。
(2)議員の連署要件について 議員による審査請求要件を「2人以上」としているのは、少数の議員であっても正当な理由がある場合には審査を請求できるよう、個々の議員の権利を幅広く確保するための配慮です。 「特定勢力による多数派工作や政争に利用されるのではないか」というご懸念につきましては、まず請求があった段階で要件を満たしていない不当な請求等を却下いたします。さらに、第三者である市民が半数を占める審査会において請求の適否や事実関係を客観的に精査しますので、根拠のない請求や乱用を防ぎ、公平で厳正な運用を徹底していきます。 |
条例を「作って終わり」にするのではなく、施行後の点検や運用の見直しにおいても、お寄せいただいたご意見の趣旨を念頭に置き、市民の皆さまから真に信頼される開かれた議会運営に努めてまいります。
今回のパブリックコメントにつきましては、募集を終了いたしますが、今後とも議会活動へのご意見やご関心をお寄せいただけますようお願い申し上げます。